印刷の方法は転写の方法によって平板印刷(オフセット印刷)、凸版印刷、凹版印刷(グラビア印刷)に大別でき、これを三代版式とよんでいます。1970/80年代までは凸版印刷が主流でしたが、今日ではオフセットが主流となっています。このほかに孔版印刷(シルクスクリーン)という特殊印刷方法があり、紙面印刷にとどまらない広がりを見せています。この孔版印刷を含めて4大版式という場合もあります。ここではオーソドックスな3大版式の仕組みを紹介します。
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版についたインクを一旦別の場所(ブランケットというゴムの板)に移してから印刷します。現在最も普及している印刷方法です。油性のインクと水が反発しあう性質を利用して、画線部にだけインクがのるようにして印刷用紙に転写します。フィルム版のため、刷版の制作が簡単で、印刷速度も速く、刷り上がりは広がりのある色調豊かな再現性があります。また、様々な紙に印刷が可能、かつ大量印刷もできるので、最近では新聞も活版から平板になっています。 |
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凹凸のある版(APR)の凸部分にインクをつけて紙に加圧する方式で、歴史ある方法といえます。文字や線画は力強くくっきりしていますが、印刷速度が遅く、多色刷りにも向かないので大量印刷に向いているとはいえません。また、版は一度制作してしまうと変更が利かないというデメリットをもっています。廉価な紙にも印刷できるというメリットがある反面、平らでない紙の凹部には印刷が乗りにくいとデメリットもあるので、現在は単色の平刷りなどに使用されることが多いようです。 |
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銅板に印字部分だけ化学処理を施して腐食させ、そこにインクを入れて印刷する方法です。版全体にインクを付け凹部に残ったインクを転写します。その際、凹部の深さによって濃淡を調節するので、濃度域が広く、現行に忠実な再現が可能なので、写真集や美術書、雑誌のグラビアなどに使用されます。その反面、シャープさに欠けるため、文字印刷には向かず、刷版に時間とコストもかかり、修正も難しいので、現在はあまり使用されなくなってきています。
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