印刷の工程はコンピューターの導入により大きく変わりました。製版までの作業を一貫して行うDTP(デスクトップパブリッシング)が、その主流を占め、印刷業界は大きく変わってきています。
ここではデータ入稿以後の印刷までの工程を簡単に説明します。実際にはもう少し複雑な工程を踏みますが、基本的には以下が標準的なものです。例としてリンゴの絵を印刷するという設定です。

入稿とは原稿を印刷会社に渡すことです。データはMOによる受け渡しが多いですが、今後ネット通信によるデータ受け渡しが主力になるでしょう。リンゴの絵がデータとして受け渡されました。これを印刷するための版を製作できるように必要があれば修正変更を加えます。
製版とは、入稿されたデータを印刷できる形にすることです。出力の形式は印刷機により異なりますが、印画紙出力、フィルム出力(オフネガ出力、ポジ出力)、凸ネガ出力などに分けられます。上記の図のように製版の時点で各色によって版ができあがります。
印刷機や出力機で印刷されたものでは要求した通りの色を出すのはかなり難しいことです。そこで製版後に正しい色が出ているか確認するのが色校という作業です。データを画面で確認するのではなく目で直接確認します。正しくない場合は色指定をし直します。
印刷をするための版を実際に作る作業です。平板印刷のCMYKの場合は各色4枚、特色の場合はその色数分だけの平板の刷版、また、活版印刷の場合はAPRという樹脂板で各色の部分を作ります。これを印刷機に設置して印刷します。
印刷機は一色機、二色機、活版印刷機等、様々ですので、それぞれの状況に応じた形で印刷します。この例の場合はCMYKの場合は4色、特色指定での印刷ならば3色。活版印刷の場合は一色を3回繰り返してリンゴを再現することになります。